タックル

ここで紹介するタックルは、キーナイ半島南部の小~中規模河川で実際にガイドが使用しているものです。岸からの釣りであれば、アラスカのほかの地域の多くの河川で適用することが可能です。

餌釣りのタックル
私たちは餌釣りにおいてもフライ用のリールとロッドを使用します。これは太い糸をトラブルなく使用するためです。とてもユニークですが、非常に使いやすく、信頼のおける釣り方です。餌には筋子玉やニシンを使います。これらの餌は現地の釣具屋で入手できます。


ロッド(全てシングルハンド、9フィート):
  • King Salmon(通常):#8
  • King Salmon(カシロフ川など大水量の河川用):#10
  • Silver, Pink, Chum Salmon, Dolly Varden:#5
私たちがここ数年信頼をおいて使用しているのは、アメリカの老舗釣具メーカー「フルーガー(Pflueger)」の「Purist」及び「Trion」シリーズです。驚くほどの耐久性を持ちながらも、アタリをダイレクトに伝えてくれる柔らかいティップと、魚をコントロールするのに十分な弾性を持っています。使用されているガイドも非常に耐久性に優れ、あえて交換する必要はありません。重量の面では課題が残りますが、この価格にしてこのパフォーマンスであれば文句なしです。

#5でSalmonを?と疑問に思われる方も多いと思います。こればかりは、現場でなければうまく説明できないのですが、特別なテクニックを使わなくても、#5でシルバーサーモンは釣り上げることができます。


リール(全魚種共通):
  • American Classic #5/6
  • Billy Pate Salmon
すべてアンチリバース、高機能ディスクブレーキ搭載のフライリールです。サーモンはすごい勢いでラインを引き出すので、指を怪我しないためにもアンチリバース(ラインを引き出してもハンドルが回らないタイプ)を使用しましょう。ドラグは、繊細な調節ができることが大切です。ユタ州ソルトレイクシティーにあるリールメーカーAmerican Classicは、信頼性の高いリールを生産していますが、#5/6の生産を停止したそうです。Billy PateはAmerican Classicに比べスプールが大きく、その分ラインにクセが付きにくいです。


ライン
ハリス、ラインともに30lb(8号)を使用します。ラインとハリスの間にはボールベアリングスイベルを使用します。


ハリ:
  • King Salmon:オーナーベイトフック#1/0-2/0
  • Silver Salmonなど:オーナーベイトフック#1-1/0
  • Dolly Vardenなど:オーナーベイトフック#4-2
このオーナーベイトフックは、日本製ですが、あまり日本の釣具屋で見かけることがありません。現地のアラスカのサーモン釣りで広く使われており、現地の釣具屋で簡単に購入することができます。


オモリ:
フライフィッシング用のスプリットショットのBB、#5~2を使います。主に使うのは#5です。

ウキ:
状況に応じてウキを使います。取り外しが簡単なワンタッチタイプのウキが現地の釣具屋で売られています。

このラインシステムでのキャスティング:




フライ用タックル
(ロッド及びリールは上記を参照)

ライン:
フローティングライン(WF、DT)をメインに、取り外し可能なシンキングライン(シンキングレート:6-7in./secくらい、長さ3-5feet)を用意する。

リーダー/ティペット:
シンキングラインをつけている場合は、リーダーは3-4フィート。フローティングラインのみの場合も、ショートキャストで攻めることのできるこの地域の釣りでは、テーパーリーダーを使う必要はない。King Salmonなら25-30lbのラインを5-7フィートつければよい。もしあえてテーパーにしたいのであれば、取り付けるときに指でラインを撚って、リーダーの一部をダブルラインにすればいい。
一方、Dolly Vardenをドライフライやニンフで狙う場合は、日本でのトラウト・フィッシングを想定したタックルを用意すればよい。

フライパターンについて:
この項目については別ページで紹介する予定です。


その他の小物について
  • フライヤー(魚からハリを外したり、ハリの形を整えるのに必要)
  • ナイフ(魚をさばくのに必要)
  • ダイアモンド・シャープナー(ハリ先は常にカチンカチンに磨いでおきましょう。100円ショップのもので十分です)
  • 偏光グラス
私たちはランディング・ネットは通常使いません。


ルアーについて
サーモンフィッシングでここ数年最も実績のあるルアーは、Blue FoxのVibrax Spinnerです。キングなら#4-6、シルバーなら#3-4です。
日本製のミノー、スプーンにもヒットしますが、地元のルアーのほうに軍配があるようです。


スピニングタックルの使用について
サーモンフィッシングに関しては、日本で使用されているシーバス用のタックルが流用可能です。私たちは30lbのラインを使用しますが、20lbのラインであれば十分釣りになるので、ロッドもそれにあわせればいいと思います。適当なPEラインを搭載したスピニングリールに、20lbのハリスをつければキングを狙うことができます。